2013年5月12日日曜日

これからは日本語力・・・ 英語との付き合い方

米マイクロソフトは人間が話す内容を瞬時にコンピューター処理し、他の言語に翻訳したうえ、その人の声で流す技術を編み出した。「何カ国語でも話せるようになる」と研究所幹部の洪小文氏。普及すれば通訳、語学教育といった業界への影響は大きいだろう。(日経 5/10)

こうなると伝えるための道具として学んだ母語ではない英語はどうなるのだろうか?

結果として必要なくなってしまうのではなかろうか?
やがては必要なくなるでしょう。

しかし、時間はかかると思われます。


コンピュータ処理が本当に精確(正確ではない)に処理できるまでは、かなりの時間が必要です。

初めのころは相手にもならなかった将棋のコンピュータが、プロ棋士相手にもはやほとんど負けることがなくなりました。

いったん加速度がつくとあっという間にレベルが上がってきます。


では、私たちは全く英語を学ぶ必要がないのでしょうか?

アメリカ人を見てみるとその時の姿がわかるような気がします。

一般人は学校で歴史と関係したなかで日本という国については学びますが、日本語を学ぶことはありません。

その彼らが社会に出てからも自らが求めなければ日本語を学ぶ機会はありません。

そのアメリカ人は日本語を全く理解できないでしょうか?

アメリカ本土においても会話はなくても日本語に触れる機会はあります。
社会人としての活動の中にも日本語に触れる機会はあります。

もちろん全体としては、義務教育や高等教育を通じて学校教育で英語を学んだ日本人が英語を理解することと比べると圧倒的に低いです。

彼らにとっての実生活や社会人、企業活動上に日本語の必要性はないのです。

それで何の不自由もないのです。

趣味や研究の領域として日本あるいは日本語について学びたい者だけが、自らその機会を探して学んでいるだけです。


コンピュータによる瞬時翻訳処理ができるということは、他の言語で書くことと読むことそして話すことが必要なくなるということです。

いま、学校で習っている英語はいらなくなるということです。


さて、これからは世界のどこかで起こった小さなことが、あっという間に世界を席巻するというようなことが増えてきます。

ネット環境やソーシャルメディアの発達で瞬時に世界の隅々の情報が手に入るようになります。

共産党一党独裁で情報統制されている中国内のこともネットでかなり把握できる時代です。

もっともっと進んでくると思われます。

そこで起きていることは最初はきわめてローカルな内容だと思われます。

翻訳して微妙なズレが生じる可能性がかなりあると思われます。
このずれが長年経つとおかしなことになってきます。
(参照:100年たって微妙なズレが・・


それぞれの言語に対してニュアンスがズバリ一致する言葉はそれほど多くはありません。
それぞれの国の中にも方言やスラングは存在します。

言葉は常に変化していきます。

現地の言葉はそのまま現地でも通用する形で使用されることが理想です。

そこに翻訳として日本語を当てるのではなく、日本語でその元の言葉の持つニュアンスを説明できなければなりません。


たとえば英語の「エンドースメント(endorsement)」、飛行機会社を乗り換える場合にもとの飛行機会社にチケットの裏書をしてもらうことですが、日本語にすると「裏書の保証」とでもいうのでしょうかこれといった言葉になりません。

無理に置き換えることではなく「エンドースメント(endorsement)」として発音も通用するようにして覚えて、その内容をしっかり翻訳することだと思います。

こういうことですでに定着している言葉もたくさんありますね。

「コレクトコール」、料金受信人払いというよりもすっとわかりますよね。
料金受信人払いというと頭の中でごそごそと何かが検索する感じになりませんか?

ここにできる間の怖さについては改めてお話しする機会もあると思います。


このようにして本来使われてる言葉を残しながらそのニュアンスを残して理解していくことが大切になってきます。

そのニュアンスを理解するのは母語である日本語以外ありえないんです。

瞬間翻訳のコンピュータソフトがそこまでの各言語のニュアンスをもてるまでは相当の年月が必要だと思われます。

でもきっとできますよ。


ここまで英語に侵略されてきますと、もはや英語なしの日常はあり得ません。

何でもかんでもカタカナ英語にすることでもなく、むやみに英語を否定することでもなく。

発音を含めてきちんと使えることばとして英語を理解しながら、一番大切なのはその言葉の使われ方やニュアンスをしっかりとした日本語を用いて説明・理解することです。

学校の英語で一番抜けていることがこれです。

英語に日本語の単語を押し付けて無理やり覚えることはいらなくなります。


スピードラーニングとしての英語がかなりロングセラーです。

プロゴルファーの石川遼を使ったこともあったでしょうが、内容が学校英語と違います。

言葉を使用する環境が設定されており、そこで使われる英語が自然と頭に入ってくるようになっています。

英語圏は大変な文化圏ですからどんどん新しい技術や用語が発せられてきます。

これからの英語との付き合い方は、その中で大切そうだと思う言葉を使う環境やニュアンスを含めてしっかりと日本語で理解することです。

簡単に言ってしまえばきちんと定義できるようにしっかり日本語を学べということになりますか・・・