2013年9月6日金曜日

日本語の言葉遊び(2)

今回の言葉遊びは、よく指摘される日本語の曖昧さを確認するのにちょうどいい例だと思います。

遊びながら日本語の特徴を感じることができると思います。


まずは「畳言葉」(たたみことば)と呼ばれるものです。

決まった言葉、文字列を繰り返すことによってもとのことばとは違った意味を作ってしまうことです。

なんで「畳言葉」というのは分かりませんが、たぶん同じ言葉を畳み掛けるように繰り返すからではないでしょうか。

くだくだ説明するよりは、例を見ていただいた方が早いと思います。


「らくだ」を2回繰り返します。
「らくだらくだ」です。

動物のラクダが2頭いるわけではありません。

区切りをつけて漢字にしてみましょう。

「楽 堕落だ」となります。

ひらがなで表記した時のつながりの遊びですね。


普段使っている言葉でもありますね。

「おした」でやってもましょう。
「おしたおした」です。

2回押しているわけではないですよ。

「押し 倒した」となりますね。


もう一丁やってみましょう。

「たいじゅうけい」を2回繰り返してみます。
「たいじゅうけいたいじゅうけい」ですね。

体重計が2台あるわけではありません。(くどかったですか?)

「タイ 銃携帯 重刑」となります。

本当にタイで銃を持っていると重刑になるかどうかは知りませんが。


もう一つ、3回繰り返しの例を挙げてみます。

「たちばなし」を3回です。
「たちばなしたちばなしたちばなし」

ひらがなで続けて書くと読む気もなくなりますね。

立花氏が3人いるわけでは・・・

「立花氏 立ち話 立場なし」となります。

この場合は区切りは全部一緒ですね。


ついでにもう一ついきましょう。

「しかい」を3回いきます。
「しかいしかいしかい」です。

司会が3人・・・

「歯科医師会 司会」てな具合ですね。



次は読み方の区切りで意味が変わる文ですね。

例文の読み方からとって「ぎなた読み」などと呼ばれています。

「弁慶がなぎなた取った」が代表例として使われます。

「弁慶が、なぎなた取った」が普通の読みになりますね。

話し言葉的に言ってみましょう。

「弁慶がな、ぎなた取った」となります。

「ぎなた」って何? となりますね。


ぎなた読みではありませんが、修飾語がどこを修飾しているのかによって意味が変わる例があります。

「安い自転車のカギ」

「安い」が「自転車」にかかる場合と、「(自転車の)カギ」にかかる場合が考えられますね。

「安い自転車の カギ」の場合は安いのは自転車になりますね。
「安い 自転車のカギ」の場合は安いのはカギになります。


日本語は修飾語をたくさん並べることができるのでこんなことが起こるんですね。

面白い例がありますので紹介します。

私の尊敬する井上ひさし先生が生前に作られたものです。

意味が6通り以上考えられるすばらしい例です。

是非楽しんでください。


「黒い目のかわいい女の子」

口に出してみると分かりやすいかもしれないですね。