2014年3月11日火曜日

幼児期言語の習得

久しぶりに幼児とたっぷり話をしてきました。

2歳4か月くらいだと思います。

ほとんど毎日のように、おじいちゃんおばあちゃんとも話をしていますので、普通の子に比べるとかなり言葉が多いようです。

すでに3語(「じいじ、くるま、はやい」など)を使いこなしており、聞き覚えた助詞や動詞の語尾変化も使っています。

助詞や語尾変化については、その意味を分からずに聞き覚えたものを口にしているだけだと思いますが、ときには雰囲気にズバリと合った表現が出てくるのにはドキッとさせられます。

一語ずつの音がはっきりとは喋れませんので、ある程度慣れてこないと聞き取りにくさはありますが、会話のやりとりが既にできています。



幼児期のことばの発達の課程は、話をするとすぐに分かります。

最初に使えるようになるのが、身近にあってよく聞くものの名前・呼び方です。

「じいじ」、「ばあば」、「かあか」、「ぶうぶ」、などの同じ音の繰り返しが多くなっているはずです。
「わんわん」、「にゃあにゅあ」、「とんとん」、「がたがた」、などの音や声によって名称を分けている場合も多いでしょう。

次に使えるようになるのが、形容詞になります。

「おおきい」、「ちいさい」、「きれい」、などですね。
色が使えるようになります、通常は「あか」、「あお」からですね。

名詞としての色の名前ですが、使い方としては「ぶうぶ、あか」のように形容詞的にも使いいます。


動詞が使えるようになると、一気に話せる内容が会話に近づいてきます。

一番初めにおぼえる動詞は、おそらく「ちょうだい」ではないでしょうか。

「まんま、ちょうだい」が言えるようになると、やたらと「ちょうだい」を使うようになります。



保育園に行ったりしていると、3歳を前にしても自分の名前をフルネームで言うことができて、返事ができるようになることが多いですね。

見知らぬ人たちに触れて、そこで自分の意志(やりたいこと)を発せられるようになるには、多少なりとも自他の感覚が芽生えてこないと難しいです。

いつも周りにいて、顔を見て話ができている相手と、そうでない相手の見分けはきわめてはっきりしています。


五感の強烈な印象の伴わない記憶については、数日しか保持されませんので、少し前のことをベースに話しても全く通じません。

時間や、過去の意識がありませんので、すべてが今のことになります。


「ちょうだい」以外の動詞については、親が頻繁に使っているものでもなかなか使いこなせません。

動詞が増えていくことよりも、助詞を使えるようになることの方が早そうです。

「じいじ と」のように助詞の「と」を強調して使い始めるのが最初のようです。


環境によって使えるようになる助詞の内容が異なるようですが、「と」、のほかには、方角を示す「に」や所有を示す「の」、主格を示す「が」などは比較的早くに使えるようになるようです。

助詞が使えるようになってくると、話している内容がめちゃくちゃに聞こえることが増えてきます。

せっかく言葉を使えるようになってきているのに、と思われることもあるようですが、使いながら覚えていくので会話を楽しんでいれば問題ありません。

例えば、「じいじ と、 たーくん と、 ぶうぶ に、 おうち が」 のような言葉が出てくるようになりますが、会話をする親や周りが自然な言葉を使っていれば、知らないうちにきちんとなっていきます。


個人差がとても大きく、周りの環境によっても大きく左右される言葉の習得ですが、動詞が使えるようになり、助詞がほぼ適切に使えるようになれば、基本的な母語の習得が完了したことになります。

この間に使える名詞や形容詞の数はかなりの量になっており、自分のやりたいことを何とか伝えることができている状況になります。

それでも、最終的な確認は母親とやっていることがまだまだありますので、母親との会話が一番大切であることに変わりはありません。


特に気をつけたいことがあります。

保育園や、幼児教室などに行くとほかの子どもとの発育競争のような環境ができます。

個人差や環境による差が大きく出る時期ですので、決して他の子どもと比べて不安にならないことが大切になります。

大家族で生活している子どもは、言葉も早いですし、わがまま度も高いです。

そちらの方が子育ての環境的には恵まれていることになりますが、すべての人がそのような環境を手にできるとは限りません。


どんな環境でも子供は育ちますが、どんな育ち方をしていくのかだけは理解しておいた方が、安心して子育てできますね。