2015年7月21日火曜日

言語と社会のズレ

持って生まれた人の気質や傾向を知ろうとしたときに役に立ったのものが動物占いでした。

動物占いは、四柱推命学を基本として、現代日本に合うように調整された内容でありながら、動物をキャラクターに使うことによってわかり易くしたものです。

生年月日で判定をする人の持って生まれた傾向は、そのほとんどが四柱推命を拠り所としています。

しかし四柱推命が持っている暦は旧暦でありさらには日本との時差を持ったものとなっていますので、現在の西暦による生年月日をそのまま利用することが難しいものです。

これを、シンプルに調整したものが動物占いであると言えます。


動物占いにおける自分のキャラクターを知っている人は大勢いるのですが、一番大きな分類である目標指向型と状況対応型について理解している人が少ないのに驚きます。
(参照:目標志向と状況対応

わたし自身の勝手な解釈によれば、動物占いで一番役に立つのがこの二つの分類です。

この二つの分類がいろいろな見方を教えてくれることになりました。


持って生まれた傾向を知ることと共に大切なことが、後天的な影響が何によってどのような形で与えられたのかということです。

人の思考や活動に影響与える一番大きな要素は言語です。

人の知的活動はすべてが言語によって行なわれていますので、母語として身につけた言語によって知的活動や行動に大きな影響が出てくることになります。


そして、言語においても目標志向型と状況対応型に分けられることが分かりました。

それは言語そのものが持っている精神文化の反映でもありますが、言語が持っている文法的な構図においても確認することができます。
(参照:日本語の基本構造

動物占いの分類よりも、言語の構造から見た分類の方がわかり易いかもしれません。


持って生まれた傾向としては、生年月日の偏りがないとすればほぼ平均的に分散しているものと考えることができます。

それは、目標志向型と状況対応型がほぼ半分ずつであろうことを示していることとなります。

しかたがって、後天的な要素の大きなものとして母語として持っている言語の傾向が大きく影響していることがあげられます。


日本語の持っている傾向は、状況対応型の典型的なものとなっています。

言語はその言語を使っている民族の精神文化を表していますので、一般的には状況対応型の言語を持つ民族は状況対応型の社会を築いていくことになります。

ところが日本に限っては、明治維新や太平洋戦争後の占領軍による指導などによって、欧米型の言語の特徴である目標志向型の社会を作り上げてきているのです。

それは、先進文明や技術を持った社会の模倣であり、彼らの定める価値基準に沿ったものとなっているのです。


特に戦後の社会は、アメリカを手本として作り上げられてきました。

欧米言語の中でも英語は特に目標志向型の傾向が強いものですが、アメリカ英語はさらに典型的な目標志向型の言語となっているのです。

戦後の社会は国家の運営から企業の経営や教育にまでアメリカの影響を受けており、ほとんどがアメリカを模倣したものとなっています。

言語としては典型的な状況対応型を持っていながら、社会としては目標志向型の社会を作ってきてしまったのです。


その結果、持って生まれた気質的傾向、母語としての言語、現実の生活している社会という三つの要素のなかで目標志向型と状況対応型の適応性がぶつかることが起きているのです。

言語としての状況対応型と社会環境としての目標志向型は簡単には変えることができないものになりますので、そこへの適応の仕方は持って生まれた気質的傾向がどちらの型であるかが大きな影響を与えることになります。

言語としては状況対応型でありながらも、その言語を使って行なわれた教育や論理は目標志向型重視のものとなっているのです。


持って生まれた傾向が目標志向型の者にとっては、世の中一般的に言われる価値基準や社会人としての生活に馴染みやすいことになります。

日本語の曖昧さや表現の豊富さを鬱陶しく感じることもあり、文学書よりも技術書や欧米型論理のものに興味を示す傾向があります。

現実の社会生活においても、会社における基準とも相性がよく大きなストレスを感じることもなく企業人として活躍できる人です。


持って生まれた傾向が状況対応型の者にとっては、日本語の中でも文学的な部分や心情描写的なものに興味を示す傾向があります。

日本語が本来持っている状況対応型の性格との相性がよく、協調性が高く相手や環境に合わせて自分を変化させることが得意な傾向を示します。

結果として、目標志向型の実社会においては大きなストレスを抱えることが多くなります。

世界でも屈指の高ストレス社会を示している日本の現実は、状況対応型の言語持った民族が目標志向型の社会を築いてきてしまったことにあります。


状況対応型という言語で目標志向型である欧米理論を理解しようとしますので、表面的には理解できたとしても深いところでは矛盾を抱えていることが多くなります。

状況対応型の活動は、目標志向型から見ると優柔不断と映りますので、社会の評価としては弱者として切り捨てられることが多くなります。

状況対応型であっても目標志向型として活動することが求められますので、大きなストレスを抱えることになるのです。


これは同じようにアメリカでも起きていることですが、アメリカでは言語も社会も共に典型的な目標志向型となっています。

個人の持っている傾向が状況対応型であったとしても、目標志向型に矯正をしていくことが可能でもあるのです。

それでも、状況対応型を強く持っている人がストレス感じることになるのです。

日本びいきの著名人で生年月日が分かる人の動物占いを見てみると、ほとんどが状況対応型になっているのは面白いことです。


ほとんどの民族は、言語と社会の型が合致したものを作ってきました。

外圧でもなければ、それが自然の姿だからです。

日本は、言語と社会の型が正反対なのです。

無理に社会に合わせることで、ストレスを感じたりうつ病になったりしているのです。

その率が世界で一番高い国となっているのです。


特に、持って生まれた傾向が状況対応型の人は生きるのが難しい社会となっているのです。

適応できないことをすべて自分に起因するものとして捉えてしまうのも状況対応型の傾向です。

会社から離れるとほとんどの人が回復してしまうのも面白い現象ではないでしょうか。

何かを物語っていると思います。


自分の型がどちらなのかを知っておくことは、より楽に生きていくためには重要なことではないでしょうか。

意外と大きな要素を占めているかのしれませんね。